研究課題/領域番号 |
16K13537
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
長島 啓記 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00298449)
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研究分担者 |
日暮 トモ子 有明教育芸術短期大学, 子ども教育学科, 教授(移行) (70564904)
吉田 重和 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (30549233)
古阪 肇 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (20710536)
鈴木 賀映子 帝京大学, 教育学部, 講師 (60618221)
佐藤 裕紀 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (60734001)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 教員研修 / 教員養成 / 新しい能力観 / 21世紀型スキル / キー・コンピテンシー |
研究実績の概要 |
本研究は、ヨーロッパ地域ではドイツ、オランダ、イギリス、デンマーク、北米地域ではカナダ、アジア地域では中国と日本において、キー・コンピテンシーや21世紀型スキルなどの「新しい能力観」に基づく学力向上政策において教員研修がどのような役割を果たしているか比較検討し、知識基盤社会における教員研修の具体的モデルを提案することを目的としている。 今年度は、そのための基礎的作業として、各国における「21世紀型スキル」に対応する概念・用語を確認したうえで、教員の身分・資格(免許)、教員養成制度、教員研修制度、教員をめぐる改革動向を明らかにすることに取り組んだ。 「21世紀型スキル」に対応する概念・用語として、例えばドイツにおける「コンピンテンシー」、イギリスにおける「キースキル」、中国における「核心素養」などが挙げられる。各国で状況は多様であるが、それらを育成するための教育課程改革やスタンダードの設定等が行われている。 教員研修制度は、各国の学校教育の歴史、教育行政制度などを背景として、多様である。連邦制をとるドイツでは州政府・地方自治体の教育行政機関が教員研修の主たる担い手となっており、デンマークでは高等教育機関や国・地方の研修機関、教員組合が研修を実施している。オランダでは、教員に対して研修のための奨学金が支給されている。中国では、学歴(資格)の取得から有資格教員の資質向上を目指す研修へシフトしている。研修の内容は教科指導、生活指導、ICT教育、学校経営などであり、研修の形態は国により多様である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ドイツ、オランダ、イギリス、デンマーク、カナダ、中国、日本の教員養成制度、教員研修制度に関して、収集した文献・資料に基づき分析し、各国の教員養成制度、教員研修制度の全体像を把握・整理した。教員研修制度を含めた各国の教師改革の動向については、基礎的資料を収集・整理するにとどまった。また、ドイツの教員研修に関する現地調査を実施する予定であったが、教員研修制度の全体像を把握したうえで調査を行う方が有効であることから、次年度に実施することとした。
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今後の研究の推進方策 |
ドイツ、オランダ、デンマーク、中国の教員研修の内容、方法について、現地での資料収集とインタビュー調査を実施する。現地調査の結果を踏まえ、各国の教員研修制度を比較する枠組みや項目を抽出する。各国の教員研修制度の特徴を整理したうえで、複数の比較軸により整理・分類する。各国の教員研修制度の比較分析に基づき、日本の教員研修の特質や課題について検討する。 なお、カナダについては、情報や資料収集のしやすさという面から、当初予定していたオンタリオ州ではなく、ブリティッシュ・コロンビア州の教員研修制度を対象とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に予定していた現地調査(ドイツ)を実施せず、次年度に延期したことが主な理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は複数の国の現地調査を実施する予定であるが、次年度に延期することとしたドイツの現地調査に使用する。
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