留学生受入れの拡大に伴う課題を多様性対応推進という視点から整理し、留学生の多様なニーズへの対応が組織的には十分に進んでいない現状を指摘した。さらに質的・量的データを用いて、留学生がキャンパスの多様性対応の現状をどのように捉えているのかを検討した。その結果、留学生の文化的背景・滞日期間や、教員等の多数派構成員が多様性対応にのぞむ態度が、留学生のキャンパス風土の知覚に影響を及ぼしうることが明らかとなった。大学の国際化において、構成員の多様なニーズを可視化していく仕組みを構築し、多数派側の変容にも働きかけていく組織的取り組みが必須であることを、結果を踏まえて指摘した。
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