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2017 年度 実施状況報告書

ハンガリーの中国系の子どもにみるトランスナショナリズムに関する教育人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K13560
研究機関東洋大学

研究代表者

山本 須美子  東洋大学, 社会学部, 教授 (50240099)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード教育人類学 / 中国系新移民 / トランスナショナリズム
研究実績の概要

今年度は昨年度の一回目の調査を継続し、2018年3月にハンガリーの中国系移民が集中するブダペストにおいて二回目の調査を実施した。今回の調査では中国系の子どもの多い学校訪問に焦点を当てた。中国系の子どもは、小学校レベルからハンガリーと英語のバイリンガル学校やハンガリー語と中国語のバイリンガル学校、語学重視の公立学校、アメリカ系やイギリス系、宗教系のインターナショナルスクールに通っていて、ハンガリー語よりも英語やドイツ語の習得を重視していること、ハンガリー生まれでも幼い頃から10歳ごろまで中国の祖父母に育てられている者が多いことがわかった。
近年ハンガリーに移住した親数名へのインタビューからは、ハンガリーでの生活を中国のそれと比べて、物価の安さや環境の良さ、学校での競争が激しくないことによって、満足度が高いことが明らかとなった。子どもにはハンガリーの学校に適応することを望みながらも、ハンガリーでずっと生活をするよりも他国で高等教育を受けさせたいという気持ちが強く、子どもを英語塾や、英語とハンガリー語のバイリンガル学校に通わせるという教育戦略を取っていた。
中国系第二世代の若者数名にも教育経験を中心とするライフヒストリーの聞き取りを行った。例えば、中国で10歳くらいまで教育を受け、ハンガリー語を身に付けてハンガリーの有名公立高校からイギリスの有名大学修士課程を終えた20代男性は、イギリスでの就職が上手くいかず、ブダペストで就職していた。中国系の若者のトランスナショナルな教育経験の多様性が明らかとなっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ブダペストでの調査は順調に進み、研究目的に合致した成果を得られている。

今後の研究の推進方策

来年度はまとめの年として、2019年3月に最終調査を実施し、研究成果を論文としてまとめる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] ハンガリーにおける中国系補習校の果たす役割2018

    • 著者名/発表者名
      山本須美子
    • 雑誌名

      白山人類学

      巻: 21 ページ: 157-173

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] スペインにおける「新しい」中国系コミュニティの 形成と特徴2018

    • 著者名/発表者名
      山本須美子
    • 雑誌名

      東洋大学社会学部紀要

      巻: 55-2 ページ: 17-31

    • オープンアクセス
  • [学会発表] School Failure among new Chinese immigrantsfrom WenzhouinParis schools2017

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Sumiko
    • 学会等名
      International Society of the Study of Chinese Overseas
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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