研究課題
挑戦的萌芽研究
近代日本における女子の教養教育は、外国人居留地近辺における西洋料理教室にその嚆矢をみることができる。教育機関での体系化した学習とは異なり、学習者の興味関心の広がりに応じて、料理に関する周辺要素についても柔軟に教授する自由な教え方、学び方であった。その結果、学習者の視野は広がり、料理に限らず「西洋」文化の全体像を学び取ることができる結果となっていた。教養教育における自由度(柔軟性)の重要性が明確になった。
食の思想
日本における教養主義は、大正期に確立されたとされてきたが、女子の教養に関しては、明治末期には存在した。また、その教育・学習のかたちは、男子教養教育が教育機関における体系化されたものであったものと異なり、個人教授の場で、体系化されない自由なものであった。このような教育方法、学びの場の提供は、今後の大学における教養教育方法の構築に応用できるものである。