本研究では、妖怪文化を地域学習に組み込むために3つの側面に着目した。第一に地域固有の物語としての側面、第二に地域の歴史や地理に根差した郷土資料としての側面、第三に人々の想像力を具現化した存在としての側面である。これらを国語科教育、社会科教育、芸術科教育と関連づけた上で、それらを統合する教育方法の開発を行った。具体的な方法として、まちを歩きながら妖怪がいそうな場所を探し出し、その場所をめぐる物語を想像する「妖怪採集」というワークショップを実施した。研究期間中には、小学生から大人までを対象にプロジェクトを行い、そこでの成果を公開するためのプラットフォームとして「妖怪採集データベース」を構築した。
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