本研究は、日本におけるグローバル教育の実態とあり方を検討し、その結果を活かした授業を実際に台湾と日本の学校で実践しながら、アジア型グローバル教育の授業開発を行うことを目的とする。その特徴は研究代表者のみならず、日々授業実践を行っている現職教員と共同で授業を開発していくことにある。さらに、アジア各国の授業内容との整合性も検討しなければならないため、研究代表者の指導学生(留学生)も検討に参加してもらった。 最終年度となる平成30 年度は、前年度から継続している授業内容(コンテンツ)の完成を目指し、留学生のみならず研究協力者である仙台二華高等学校の教員と継続して検討していった。今年度の台湾での授業実践は、6月に台中市の台中女子高級中等学校と台南市の台南女子高級中学で計2回の授業を行い、授業後内容について検討を行った。これらの実践を経て、9月に30回分の授業案を完成することができた。年度後半では、完成した授業案の微修正を行うため、代表者の所属する広島大学と山形文教大学での講義(アジア理解を促すことを主たる目的とする講義)の時間の一部を使って実践し、内容の妥当性について最終検討を加えた。 こうした実践と検討を経て、最終的な30回分の授業案(授業で使用するパワーポイントを含む)が完成し、それらをまとめて『報告書』として刊行した。今後は、国際理解教育等の授業実践を行っていている教育関係者に本報告書を配布して実際に授業を行ってもらい、さまざまな意見を聞きながらさらなる修正を図っていきたいと考えている。
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