研究課題/領域番号 |
16K13579
|
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
鈴木 篤 大分大学, 教育学部, 准教授 (70634484)
|
研究分担者 |
杉田 浩崇 愛媛大学, 教育学部, 講師 (10633935)
杉原 薫 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (60610897)
山口 裕毅 環太平洋大学, 次世代教育学部, 講師 (50735272)
渡邉 満 広島文化学園大学, 看護学部, 教授 (30127740)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | イギリスでの学校訪問調査 / アメリカでの学校訪問調査 |
研究実績の概要 |
本年度は研究分担者の山口がイギリスでの訪問調査ならびにロンドン大学で開催された国際学会での研究発表を行なった。 訪問調査を実施したのは2017年6月、対象校はロンドン市内で多様なエスニシティの暮らす地域タワーハムレット(マジョリティはバングラデシュ系)に所在するH小学校である。同校に通う子どもたちの家庭の状況は、ホワイトカラー家庭(駐在員の家庭を含む)や移民系の家庭など様々で、子どもたちのエスニシティ上の背景としては、バングラデシュ系の子どもが大半を占めている。子どもが作成した作品からも文化的な多様性を統合するような取組みをうかがうことができた。同校では、教育活動を円滑かつ効果的に実施するために、保護者との連携を重視していた。配布されていた学級通信にもそうした取り組みが明確に表れている。 同じく2017年6月にはロンドン大学で開催されたInternational Conference for Education and Democratic Citizenshipに参加し、発表を行うとともに、ヒュー・スターキー教授ならびにアンドリュー・オスラー教授と意見交換を行なった。 また、研究分担者の杉田は今年度、アメリカにおける道徳関係学会に参加するとともに、アメリカでの訪問調査を行った。 参加した学会は2017年10月のNational Forum on Character Educationであり、併せてワシントンD.C.のS初等中等教育学校を訪問した。同校は1学年30名程度の小規模校であり、多様性を尊重することを重視するとともに、子ども中心・進歩主義的な理念に基づく学校である。2017 年度にはキャラクター・エデュケーションの優秀校のひとつに選ばれている。各学校段階ごとにプログラムが実施され、多様性を尊重する雰囲気の醸成目指した学校全体での道徳教育のアプローチが見られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では、平成29年度には独・仏で学校訪問調査を行うとともに、米、英で研究者の訪問調査を行うことを予定していた。また、当初28年度に行う予定であった米、英での学校訪問調査も未実施の状況であった。そうした中、計画通りロンドン大学の「教育・市民性国際センター」(International Center for Education and Democratic Citizenship)を主導するHugh Starkey 教授を訪問し意見交換を行うことができた。また。また、アメリカの人格教育に関する学会に参加し、同地の研究者たちの研究状況を把握することができた。平成28度に実施することができなかった米、英での学校訪問調査も実施した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度においては、フランスとドイツで学校訪問調査と研究者の訪問調査を行う予定である。また、資料の収集と分析を継続し、各国における教育法規、学習指導要領、教科書、教育に関する社会的議論、道徳教育史などについて各国の特徴と共通性を解明する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
訪問調査先の順番変更などにともない、支出額に変更が生じた。平成30年度に実施を予定している訪問調査や学会発表が存在し、これらに必要な費用として予定している。
|