研究課題/領域番号 |
16K13592
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
榊 守 茨城大学, 教育学部, 教授 (50196060)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 色認識 |
研究実績の概要 |
本研究は,盲学校における理科の授業および視覚障害者の日常での使用を目的とした「触覚タイプ色彩伝達装置」を開発することにある。本開発装置は市販されている「音声式の色伝淕菠謬」では困難な理科実験における色の微妙な変化過程や色の濃さの違いを伝達する装置である。さらに,本装置は視覚と聴覚の重複障害者へ色を伝達する生活支援装置としての有用性も期待できる。装置は色センサとワンチップマイコンおよび色を表現する振動機構部品から構成した。色センサからのデジタルデータを周波数に変換しサーボモータもしくは振動スピーカに出力するアルゴリズムを育案し試作品を製作した。開発した装置の制御部は高度な処理が可能であり寸法が小さいマイコンボードGR-CITRUS(ルネサスエレクトロニクス)読み取り部は12C通信が使えるためカラーセンサTCS347(Adafruit Industries),出力部は駆動型の場合はTTL通信を行い精確な動作のため,TTLサーボモータRS303MS (双葉電子工業)を使用した。また平成28年度において振動タイプの出力はハードディスク機構部品を再利用し,骨伝導タイプの出力部を試作した。 開発した触診型の出力装置はRGBカラー値について突起の高低および振動の2方式を同時に開発し,出力方法を検討した。両方式とも装置はスタンドアローンタイプであるため,他の機器に依存することなく単独で使用することができる。昨年, RGBカラー値をサーボモータ出力方法を報知方法とし試作した。サイズ等の検討の結果,平成30年度は振動触診方式を用い,さらに携帯可能な小型化を計る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初,色情報を骨伝導スピーカーによる出力を目指して開発を展開していた。しかし,検証の結果,骨伝導スピーカーの振動では色の認識が難しいことが明らかとなった。そこで,色情報を突起で表現する方法を考案した。装置はカラーセンサから色情報を取得してTTLサーボモータに出力されるまでに約0.5秒のラグが生じていたがプログラムの改良により解決した。電源部の単三電池がある程度消費されている際に装置を起動させると,TTLサーボが動いている間,カラーセンサに接続した補助照明用白色LEDの光が弱くなるのを防止するように電源部を改良した。また,TTLサーボ1台接続のみと3台接続ではサーボモーターの回転時間に差が生じた。ハードとソフト両面において改良した。平成29年度,アルゴリズムの改良により,サーボモータのタイムラグ無くしたものの,センサーの特性上「黄色」の認識に難があり,現在アルゴリズムを改良しているところである。以上のことから,進捗状況としては,やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度,試作で採用したマイクロサーボ機構から,振動素子ヘ変更し小型化を行う。電子回路部を筐体に組み込み試作品を盲学佼、国立障害者リハビリテーションセンターおよび「盲ろう者友の会」を通して検証し,「QUEST福祉用具満足度評価」を実施し、改良点を探り、試作品の完成度を実用レベルに高める。 検証・評価を重ね実用レベル「触覚タイプ色彩伝達装置」のプロトタイプを完成させる。関連学会での口頭発表、国内外の論文誌に公表、盲学校の教員対象に講習などで普及に努める。「触覚タイプ色彩伝達装置」の回路図、製作方法の詳細はWEBページで公開する。 本申請研究以前の福祉機器開発により得たキット化の経験をもとに「触覚タイプ色彩伝達装置」を多くの盲学校の教員・児童・生徒らが製作できるようにキット化を行う。回路図、回路基板、部品一覧、筐体設計図、製作方法の詳細はWEBで公開し、希望する学校等には無償で提供する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた試作用電子部品の個数が少なく済んだ。30年度に試作用振動素子の選択と色認識精度の優れたカラーセンサーを購入する。
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