研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究は,知的障害児の自己決定に至る認知プロセスについて,行動的な指標のみならず,生理学的指標を駆使しながら,神経教育学的アプローチにより検証した。その結果,知的障害児の中には十分な試行錯誤なしに選択反応しているケースもあり,そのような事例においては自己決定に関わる脳領域での活性化がみられなかったことから,生理学的指標から自己決定過程を評価しうることを明らかにした。
特別支援教育
「意思決定」はキャリア形成に重要な能力の一つであり,教育現場でも子どもたちに「自己決定」の機会を提供し,その能力を育てていく試みがなされている。しかし,知的障害児はその障害特性ゆえ,自己決定として選択反応が求められることが多く,選択反応をもって自己決定とされることも少なくない。本研究では,自己決定過程を脳科学的アプローチで検証しており,社会要請の強い科学的な根拠に基づく教育に寄与できると思われる。