研究課題/領域番号 |
16K13594
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
園山 繁樹 筑波大学, 人間系, 教授 (90226720)
|
研究分担者 |
柘植 雅義 筑波大学, 人間系, 教授 (20271497)
洪 イレ 筑波大学, 人間系, 助教 (20754328)
酒井 貴庸 甲南女子大学, 人間科学部, 講師 (50744108)
倉光 晃子 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (60593580)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 不登校 / 知的障害 / 特別支援学校 / 特別支援教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、知的障害特別支援学校に在籍する児童生徒の不登校について、主に次の2つのことを目的としている。第1に.知的障害特別支援学校における不登校児童生徒の実態を調査研究から明らかにする。第2に、知的障害特別支援学校において不登校になっている児童生徒の事例検討から、再登校や社会適応に向けた支援の在り方を明らかにするとともに、校内・校外における支援体制作りを提案する。平成28年度は主として以下の研究活動を行った。 1.知的障害特別支援学校を対象とした質問紙調査。不登校児童生徒の在籍状況や支援体制を明らかにするために、知的障害特別支援学校すべて(計865校)に質問紙を送付し、回収した。データを整理した上で、平成29年9月開催の日本特殊教育学会第54回大会で発表する予定である。また、予備的検討として、盲・聾・養護学校及び特別支援学校における不登校児童生徒数について学校基本調査結果に基づいて年次推移の検討を行い、関連する学術論文が少ないことを明らかにした。その研究成果を日本福祉心理学会第14回大会でポスター発表するとともに、論文を投稿し、「障害科学研究」第41巻第1号に掲載された。加えて、不登校の知的障害児童生徒に対する支援事例に関する英語と日本語の先行研究を検討し、先行研究論文が日英ともに少ないことを明らかにした。その研究成果を障害科学学会第12回大会でポスター発表するとともに、さらに分析を進めたものを平成29年5月開催の韓国情緒・行動障害児教育学会で発表した。 2.知的障害特別支援学校において不登校になっている児童生徒の事例検討。予備的検討として、不登校となっている5名の現況についてまとめ、状態像や関連要因が様々であることを明らかにし、日本福祉心理学会第14回大会でポスター発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、知的障害特別支援学校に在籍する児童生徒の不登校について、主に次の2つのことを目的としている。第1に、知的障害特別支援学校における不登校児童生徒の実態を調査研究から明らかにする。第2に、知的障害特別支援学校において不登校になっている児童生徒の事例検討から、再登校や社会適応に向けた支援の在り方を明らかにするとともに、校内・校外における支援体制作りを提案する。以下の理由から、おおむね順調に進展している、と判断できる。 第1の目的については、全国の全ての知的障害特別支援学校に質問紙を送付し回収済みであり、平成29年度にその結果を学会で発表する予定である。平成28年度は予備的検討として、盲・聾・養護学校及び特別支援学校における不登校について学校基本調査結果に基づいて検討を行い、関連する学術論文が少ないことを明らかにし、その結果についてはすでに学術誌に投稿し掲載された。また、不登校の知的障害児に対する支援事例に関する日英の先行研究を検討し、学会発表するとともに、平成29年5月にその続報を韓国で開催された学会で発表した。 第2の目的については、知的障害特別支援学校において不登校になっている5名の現況についてまとめ、学会で発表した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年度は以下の研究活動を予定している。 1.知的障害特別支援学校を対象とした質問紙調査の結果をまとめ、平成29年9月開催の日本特殊教育学会第54回大会で発表するとともに、論文にまとめ投稿する。また、予備的検討として、不登校の知的障害児に対する支援事例に関する日英の先行研究を検討し、平成29年5月開催の韓国情緒・行動障害児教育学会で発表するとともに、英文論文にまとめ投稿する。 2.知的障害特別支援学校10校程度を対象とした面接調査を行い、学校における支援体制、及び支援事例の具体的情況等についての情報を収集する。 3.知的障害特別支援学校で不登校になっている児童生徒に関する事例研究を行い、関連要因の分析、支援方法の効果等について分析する。 上記の研究計画については、すでに筑波大学人間系研究倫理委員会の承認を得ている。
|