研究課題/領域番号 |
16K13596
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
藤井 千代美 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (90446170)
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研究分担者 |
重松 陽介 福井大学, 学術研究院医学系部門, 客員教授 (80162593)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 予防接種 / 発達障害児 / コンピテンシーモデル |
研究実績の概要 |
日本におけるワクチンで予防できる疾患(VPD)が急速に増えたが、近年の感染症の傾向は小児にとどまらず、ワクチン未接種や1回接種による成人期での発症が社会現象となっている。標準化した予防接種教育や多職種間で連携した予防接種教育は大きな課題と言える。また発達障害をもつ子どもを受け入れる特別支援学校は年々増加傾向にある。発達障害児をもつ保護者への予防接種の正確な情報提供や意思決定支援が必要である。 本来予防接種は「すべての子どもの健康と命を守るため」に行われるものであるが、実際の予防接種の現場において発達障害の子どもたちは「敬遠」されている。2008年以降7年間で12もの新しいワクチンが導入され、予防接種現場の混乱も明らかである。予防接種においても特別な支援が必要とされ、かつ、感染防御が自ら行えず、疾病に罹患した際には治療がスムーズに行えない子どもたちほど、安全な予防接種連携システムが必要とされている。 本研究は発達障害児の予防接種状況を特別支援学校に在籍している子どもの保護者と養護教諭の意識や医療施設での取り組みを調査し、課題を明確にし、発達障害の予防接種連携システムの構築と安全な予防接種のために必要なコンピテンシーモデルの確立を目指すものである。 現在、国内外の発達障害児、予防接種、コンピテンシーモデルに関する文献検索を継続中であり、それをもとに質問紙やインタビュー ガイドを作成中である。また研究対象となる知的障害単一障害を対象とする特別支援学校や、放課後デイサービスの指導員等とフォーカスミーティングを行っている。 「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の改正を踏まえ倫理審査提出準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
業務調整を行い研究を進めていく予定であったが、豪雪により業務が大幅に遅れ、研究が計画通り実施できなかった。また特別支援学校の生徒及び養護教諭と小児科看護師が研究対象であるため、急な健康状態の変調や勤務異動も重なり研究進捗状況は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
フォーカスミーテイングで得られた情報をまとめるとともに、文献レビューをすすめ、国内外の予防接種状況や感染症の動向を把握しながら、研究計画書に基づき研究を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
<理由>豪雪のため予定していた学会やフォーカスミーテイングが行えなかったため、人件費、謝礼や旅費の支出が少なかった。 <使用計画>翌年度分の助成金と合わせてフォーカスミーテイングの継続やと調査の実施を行う。
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