2008年以降日本におけるワクチンで予防できる疾患(VPD)が急速に増えた。本来、予防接種は「全ての子どもの健康と命を守るため」に行われるものであるが、実際に予防接種の現場において発達障害の子どもたちは「敬遠」されている状況であった。 医療、予防接種においても、このような特別に支援が必要とされ、かつ感染防御が自ら行えず、疾病に罹患した際には治療がスムーズに行えない子どもたちほど安全な予防接種連携システムが必要とされていた。 発達障害児の予防接種状況を特別支援学校の親と養護教諭の意識や医療施設での取り組みや課題を評価し、発達障害児の予防接種連携システムの構築と安全な予防接種のために必要なコンピテンシーモデルの確立ならびに普及が必要であった。 現在乳幼児に接種可能なワクチンは18疾患となった。その結果,小児科外来やクリニックは,予防接種のほとんどを担うことになり,接種回数や種類の増加による接種スケジュールの複雑化や,複数の異なるワクチンを一度の受診で接種する同時接種の導入,ワクチンによって異なる接種部位や接種方法への対応など,看護師個人に求められる知識や技術は更に複雑化し,負担はますます大きくなる中で、予防接種においても特別に支援を必要とする子どもたちには更に丁寧かつ構築された誤接種防止のプログラムの開発に努めなければならない。 また、発達障害を持つ子どもの親のみではなく、保護者の予防接種に関する知識を高める取り組みや行政を巻き込んだ連携が必要である。
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