研究課題/領域番号 |
16K13598
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
高貝 就 浜松医科大学, 医学部, 特任教授 (10447807)
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研究分担者 |
大隅 香苗 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (00588767)
望月 洋介 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床心理士 (30568572)
伊藤 大幸 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 助教 (80611433)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 児童精神科 / 強迫性障害 / ディメンション |
研究実績の概要 |
強迫性障害は児童青年期より生活上の多大な機能障害を引き起こす疾患である。 強迫性障害の症状は洗浄や対照など強迫症状のテーマ、すなわちディメンションにより分類される。同じ診断名でも、ディメンションごとに生活上の機能障害や治療反応性が異なることが予測される。ディメンションの特徴を把握することは医療の介入のみならず教育環境における支援の手がかりとして重要である。本研究では児童精神科病棟に入院しながら隣接する特別支援学校に通学している小・中学生と支援者・保護者を対象に質問紙調査と半構造化面接を行い、その結果を強迫性障害のディメンションに基づいて分類する。また、ディメンションごとの社会適応を入院時と退院時の2回で評価する。その結果を、強迫性障害の傾向を有する生徒に対する支援および教育と医療が連携し適切に行うために活用する。 ・研究期間内に何をどこまで明らかにしようとするのか ①児童精神科病棟で入院治療を受けつつ特別支援学校に通学する小・中学生を対象に以下の調査を行う。 (1)ディメンジョン別強迫症状重症度尺度日本語版 (DY-BOCS)(2)社会適応:Vineland-II適応行動尺度 (VABS-II)(3)ハミルトン不安評価尺度 (HAM-A):不安に伴う精神症状や自律神経症状、不眠、認知障害、抑うつ気分、 面接時の行動を評価する尺度。(4)うつ病自己評価尺度 (CES-D):過去1週間のうつ気分、身体症状、対人関係について評価する自己記入式検査。(5)児童用 AQ日本語版:児童向けの自閉症傾向を測定する自己記入式検査(6)ADHD-Rating Scale-Ⅳ日本語版(ADHD-RS) : 不注意と多動性・衝動性を評価する尺度。 ②①の結果を先行研究に準じて解析し、強迫症状と他の精神症状、および社会適応の困難さの相関を評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画を策定した当初に予定していた愛知県の調査協力市の小・中学校側の事情により研究への協力を受けることが困難となり、データ収集が不可能となった。このため、共同研究者と協議し、研究課題に対する成果を得るために研究対象を変更することとした。実際には静岡県浜松市の国立病院機構天竜病院児童精神科に入院中で、隣接する特別支援学校に通学している小・中学生の患児およびその保護者を対象とした入院時および退院時における強迫症状およびその他の心理評価尺度の測定、主診断、属性のデータを収集することとした。研究対象の変更によるデータ収集の遅延のため、研究課題の進捗に遅延が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、天竜病院の協力のもとデータの集積が得られている。サンプル数は40例余りと当初の目標サンプル数には遥かに及ばないが、現在までに集積しているデータを用いて予備的に統計学的な解析を行う方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述のように研究計画に遅延が生じたため、解析や成果発表などに要する支出についても繰延を行う必要があると判断したため。
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