研究課題/領域番号 |
16K13601
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
冨田 更紗 (甲斐更紗) 九州大学, 基幹教育院, 学術研究員 (40589636)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 聴覚障害学生 / 認知特性 / 情報保障 |
研究実績の概要 |
質問紙調査(実施期間:平成28年8月から12月)1)調査対象:聴覚障害のある大学生、大学院生、専門学校生等約100名 2)方法:全国ろう学生懇談会主催の全国ろう学生の夏の集い(平成28年8月14日:京都で開催)にて質問紙を配布回収(実施については主催者の許可を得た)。また、各地区の聴覚障害学生団体の事務局を通して質問紙を郵送配布した。3)調査項目:フェイスシート(本人の状況、教育環境、家庭環境、コミュニケーション、現在受けている情報保障の状況、障害者に関する法等の知識)、認知特性(田倉・福田・若山ら(2014)の尺度)、メンタルヘルス面(日本GHQ30:配布数に応じて用紙を購入)、アイデンティティ(甲斐・鳥越(2006)の尺度)、セルフアドボカシースキル、情報保障やキャンパスライフ支援のニーズ 4)分析:SPSSによる統計的分析、自由記述内容の質的分析を進めている。 面接調査(実施期間:平成28年4月)1)調査対象:聴覚障害学生支援経験者数名 2)方法:半構造化面接 3)調査内容:フェイスシート、支援者から見た聴覚障害学生の認知特性(田倉・福田・若山ら(2014)の尺度を修正)についての語り 4)分析:面接内容の逐語資料作成を進めている。 これらの研究進行状況で得られた知見をもとに、手話で語る心理臨床研究会(https://sites.google.com/site/deafpsychotherapy/)を継続発展させ、聴覚障害学生支援(PEPnet-Japanのモデル事業協力など)に関わることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
面接調査、質問紙調査を実施し、データを収集することができた。分析作業を継続しているが、それが終わり次第、論文化作業に取り掛かる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年夏から、面接調査を実施予定である。1)調査対象:聴覚障害のある学生等10名(可能な限り、平成28年度質問紙調査の対象者)2)方法:協力者の年齢に応じて、認知特性を把握する検査及び面接を実施する。(協力者の許可を得てビデオ撮影を行う)3)分析:調査における発言・行動内容のトランスクリプトを作成し、それらと検査結果を分析し、先行研究と比較分析する。そしてそれぞれの認知特性に応じた情報保障モデルを抽出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ収集を終了させたが分析を進めているところである。そのため、平成28年度に着手する予定であった論文化作業を平成29年度に行う。また、面接調査(聴覚障害学生対象、認知特性把握の内容)を実施する。
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次年度使用額の使用計画 |
設備備品費(ビデオカメラ、分析用パソコン、映像データ編集ソフトウェアなど)、消耗品費(記録媒体、文房具、プリンターインクなど)、旅費(調査・情報収集の旅費、成果発表・意見交換の学会研究会参加旅費、手話通訳者旅費、協力者旅費など)、人件費(研究補助、調査謝金、手話通訳謝金、英文校閲、論文投稿にかかる経費など)、文献複写費、郵送費(論文郵送など)などとして使用。
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