研究課題/領域番号 |
16K13606
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田村 綾菜 京都大学, こころの未来研究センター, 研究員 (70617258)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害 / 言語コミュニケーション / 個人差 |
研究実績の概要 |
本研究では、自閉症スペクトラム障害のある児童における言語コミュニケーションの個人差を明らかにすることを目的とする。これまで定型発達児との比較で一括りにされることの多かった自閉症スペクトラム障害のある児童の特徴を詳細に分析することで、より個別のニーズに合った支援方法の提案を目指している。平成28年度は、まず、言語コミュニケーションの課題として、対象指示コミュニケーション場面を想定した課題を作成した。対象指示コミュニケーションとは、話し手と聞き手が共通のものを含む刺激セットをそれぞれ持っている状況で、聞き手が話し手の説明に基づいて特定の刺激を選択することができるよう、話し手が情報伝達を行うことである(Glucksberg, Krauss, & Weisberg, 1966)。刺激として、定型図形、新規図形、類義語対などを用意し、現在、成人を対象とした予備調査の準備中である。また、実験場面だけでなく、日常場面での言語コミュニケーションについても検討すべく、個別の学習支援場面の観察を行った。さらに、次年度実施予定である自閉症スペクトラム障害児を対象とした実験準備として、自閉症スペクトラム障害の評価に用いるADOS-2(Autism Diagnostic Observation Schedule Second Edition)を購入し、使用方法の練習に取り組んだ。これらにより、次年度においてスムーズに研究を実施し、日常場面の様子とも関連づけて言語コミュニケーションの個人差を検討するための準備が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
想定よりも課題作成に時間がかかり、予定していた成人を対象とした予備調査が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
まず、今年度実施できなかった成人を対象とした予備調査を実施した後、当初からの計画通り、自閉症スペクトラム障害児および定型発達児を対象に実験を実施する。また、個別の学習支援場面の観察も継続して行い、実験場面と日常場面を合わせて個人差の検討を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた成人を対象とした予備調査が実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
調査のための謝金の他、関連図書やデータ分析用のノートパソコンの購入、成果報告のための学会参加費と旅費などに使用予定である。
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