研究課題/領域番号 |
16K13622
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
澁田 靖 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (90401124)
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研究分担者 |
下條 冬樹 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (60253027)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ナノチューブ・フラーレン / グラフェン / 第一原理分子動力学 / 計算材料科学 |
研究実績の概要 |
本研究では炭素源分子解離過程を制御した高品質なカーボンナノチューブ及びグラフェン選択成長実現に向けて,第一原理分子動力学シミュレーションを基に,炭素源分子解離反応がカーボンナノチューブ及びグラフェン生成に与える影響を明らかにすることを目的としている.
平成28年度はまず,Ni-C二元微粒子表面上でのエタノール解離過程の解析を行った.以前に行った純Ni微粒子表面上でのエタノール解離解析結果と比較し,純Ni微粒子表面に比べ水素解離反応が著しく抑制されることを見出し,OVPやMulliken解析によりこれらの物理的要因を詳細に検討した.また微粒子中のC濃度変化に対する炭素鎖生成の様子を詳細に解析し,Ni微粒子中の電荷分布の偏りにより炭素が表面に集まることを見出した.これらの知見を国際会議NT16や日本金属学会で発表し,当該分野研究者と積極的な議論を行った.これらの結果をまとめ,雑誌Chemical Physics Lettersに投稿し,現在修正原稿を準備中である.
さらに上記と並行して,カーボンナノチューブ生成実験で主に使用される様々な遷移金属微粒子の触媒能を検討するため,Fe,Co系での解析に向け,現在Fe微粒子表面上での炭素源分子解離過程の予備計算を実施中である.特にFe,Coなどの遷移金属ではスピン状態の考察が重要となり,スピン状態を考慮した動力学計算を行う予定であるが,現在これらの計算ためのパラメータ最適化を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度にNi-C二元合金微粒子表面上のエタノール解離の解析を完了し,これらの結果をまとめて学会発表および論文投稿に至るなど,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
Fe,Coなどカーボンナノチューブ生成実験で主に使用される遷移金属微粒子表面上でのエタノール解離解析を行い,遷移金属の触媒能の違い等を比較検討する.さらに様々な方位面を有する金属表面での解離解析も行いグラフェン生成過程の考察も行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ計画通り予算を執行したが,H28年度末に行う予定だった研究打ち合わせ訪問をメールベースで打ち合わせを行ったため.
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次年度使用額の使用計画 |
H29年度の早いうちに研究打ち合わせ訪問を行う.
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