研究課題
近年、作物の受粉を担う蜜蜂の大量減少は、食糧危機に関わる世界規模の問題になっている。蜜蜂の減少は、農薬による環境汚染や温暖化現象によって引き起こされていると言われているが、原因は不明であり、解決の糸口も見つかっていない。蜜蜂のような花粉媒介昆虫の減少は、農作物の生産量に直結している。現在、蜜蜂の減少に伴う蜂単体の価格高騰は農家にとって死活問題となっている。また、人の手による人工的な受粉が行われているが、手間暇と労力が掛かるだけでなく、生物を利用した受粉に比較して効果が小さい。本研究では、不揮発性のイオン液体ゲルを塗布したアリやハエといった生物を利用することで、蜜蜂の代替生物としての花粉交配の可能性を検証した。また、当該イオン液体ゲルを塗布した馬の体毛を垂直配向させたドローンを利用し、ユリの花の花粉交配を実施した。本研究は、世界規模の蜜蜂減少に対する挑戦的な研究であったが、得られた研究成果や知見は、今後の効果的な花粉媒介を可能にする普遍的技術の基礎になると期待している。
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