近年、作物の受粉を担う蜜蜂の大量減少は、食糧危機に関わる世界規模の問題になっている。本研究では、効果的に花粉を吸着・媒介可能な新規材料を開発することを目的にしている。本研究目的を達成するために、不揮発性、高粘性のイオン液体ゲルを合成し、種々の物性解析を行った。また、当該イオン液体ゲルを昆虫の体表面に成形させ、チューリップの花粉吸着量を解析した。さらに、静電植毛法により垂直配向させた馬体毛表面に当該イオン液体ゲルを光重合によって均一塗布することに成功した。また、本イオン液体を塗布した垂直配向型の馬体毛をドローン表面に装着させ、ラジオ波で制御することで、ユリ花粉の媒介挙動を検証した。
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