本研究では、バルク材合成が容易でないFeNi合金を低次元化し、極限環境(高エネルギー電子線照射)を利用して高速拡散を誘起することにより規則相形成を図り、新奇ナノ磁石創製に挑戦した。(1)電子照射促進規則化の確認、(2)Fe-Ni合金薄膜における照射促進規則化、(3)FeNiナノ結晶合金に及ぼす高エネルギー電子照射の影響、の3点について研究した。その結果、超高圧電子顕微鏡を利用した照射促進規則化を用いることにより、通常の熱処理では容易には形成されないL10型FeNi規則相を短時間で生成させることが可能であることを実証し、FeNi規則相が573 Kにおいて安定相であることを示す新たな知見を得た。
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