高感度な光学式フォースセンサとして誘電体層を空気に置き換えたエアギャップ構造をもつMIMメタマテリアルを提案した。 エアギャップによって光学特性が変化するMIMメタマテリアルを設計し、 実際に製作・測定を試みた。 RCWA法を用いてナノドット構造型のMIMメタマテリアルでは誘電体層を空気にしてもMIMメタマテリアル特有の光学特性が生じることを示した。 共振波長のエアギャップ依存性はエアギャップの値によって変化するが、 エアギャップに対する共振波長のシフト量はエアギャップが40 nm以下の狭い領域で常にファブリ・ペロー干渉型よりも大きな値になり、 光学式フォースセンサへの応用の可能性を示した。 リフトオフプロセスでAl / SiO2ナノドットアレイを十分な精度で製作することに成功した。 Al薄膜を成膜したダイアフラム構造に荷重をかけ、 Al薄膜をAl / SiO2ナノドットアレイに近づけることでエアギャップを制御し、 MIMメタマテリアルの反射スペクトルの測定を行った。 製作したMIMメタマテリアルに荷重をかけるとMIMメタマテリアル特有の反射スペクトルのディップが生じた。 所定の荷重範囲で共振波長が1430~1631 nmと変化し、 光学特性変化の傾向は計算結果と一致した。 以上のことから、エアギャップの微小変位に対して光学応答を示す可動MIMメタマテリアルを製作し、 計算結果と同様な光学特性変化の実証に成功した。 機械的に構造変形するメタマテリアルの構造変形を伝達関数とし、入力を外力、出力を局在フォトンモードとする物理量トランスデューサを構築し、光学式フォースセンサとしてその特性を評価した。各物理量に適した伝達関数の設計を行う観点からデバイスを設計することができ、その光学応答特性を理論と実験の両面から明らかにした。
|