2つの平面試料を上下に向かい合わせて配置し,界面に液体を展開して密着させ,試料を垂直に引っ張った際の接着力を計測する装置を制作した.予備的な実験を行う簡易的な装置を組み上げて動作を確認した後に本格的な装置を製作した.接合面の角度を精密に調整する仕様としたが,結果的に,ナノスケールでの調整は困難であった.固体界面の接着力を確保するために親水化処理を行った結果,酸化チタンを成膜し,熱処理でアナターゼ型結晶として紫外線照射したもので接触角がほぼ0°となり,理想的な濡れ性にすることができた.ステンレスの多孔体シートを用いて液体の浸み出しと吸い戻しを行い,液体の存在によって接着力が発生する事を確認した.
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