本課題では、遷移金属酸化物中の酸化物イオンダイナミクス(酸化物イオンの動き)に関連する諸物性に着目し、ダイナミクスの理解および機能開発を行った。得られた主な研究成果は次の2つである。(1)ヘテロ界面における構造ミスマッチを利用することで、酸化物中の酸素(欠損)規則配列を変調さらには制御できることを明らかにした。(2)酸化物における酸化還元反応は局所的に進行することを明らかにし、さらに反応に伴う酸化物イオン吸収および放出が優先的に起こる局所領域の特性に成功した。また電界で酸化還元反応を誘起することで、伝導性を変調可能であることも明らかにした。
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