研究課題
最終年度では,以下の3つの課題に取り組み一定の成果を得た.(1)残念ながら,当初の7eVの半導体を作製するという目的は達成されなかったが,その代わりとして,β-(AlGa)2O3をチャネル層としたトランジスタを実現した(デバイス作製にはMITの協力を得た).酸化ガリウム系では世界初の混晶をチャネルとしたデバイスであり,そのバンドギャップは5.1 eVと,酸化ガリウムの4.6 eVよりも大きい.混晶をメインとしたデバイス応用の可能性を示唆した結果である.(2)α型酸化ガリウム系混晶をヘテロ接合へと展開するために,格子不整合度が最も大きく作製困難なα-Ga2O3/Al2O3超格子を作製して,デバイス応用に有利なコヒーレント界面であることを確認した.またバンドオフセットを評価した.これらの結果は,任意組成の混晶ヘテロ接合の作製が可能であることが示され,α型ヘテロ接合デバイスを指示するものである.(3)前年度,作製確認であると分かったγ型混晶系のヘテロ接合系への展開のために,最も格子不整合度の大きな組み合わせとなるγ-Ga2O3/Al2O3超格子を作製し,コヒーレント界面を確認した.なお,格子定数の大小関係が,γ-Al2O3<スピネル基板<γ-Ga2O3であるため,超格子の各層の厚みを制御して平均格子定数を基板に完全格子整合させることができた.これは,III-V族半導体でよく見られる高度な制御ができたことを示している.以上,総じて混晶系の発展に寄与する成果を複数得ることができた.
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件、 招待講演 5件) 産業財産権 (1件)
Applied Physics Express
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 56 ページ: 901101-1-7
10.7567/JJAP.56.091101
巻: 56 ページ: 086501-1-7
10.7567/JJAP.56.086501