本研究では空間分解可能な電気伝導測定を用いて、表面・極薄超伝導体の高い臨界電流の起源を解明することを最終目的とした。そのために、まず高品質の単一ユニットセル(1UC)超伝導FeSe超薄膜を作製する条件を探索した。そして基板を520℃で加熱しFeとSeを共蒸着することで、ドメインの大きい1UCFeSe薄膜を作製できることを走査トンネル顕微鏡(STM)観察により明らかにした。一方、5Kでの走査トンネル分光(STS)測定では、超伝導特性が局所的に異なっていた。今後走査トンネルポテンショメトリ(STP)測定でこのような超伝導特性の局所的な違いが高い臨界電流にどのように影響しているかを明らかにする。
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