研究課題/領域番号 |
16K13690
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
吉川 純 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主任研究員 (20435754)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 電子顕微鏡 / 電子エネルギー損失分光法 / バレー分極 |
研究実績の概要 |
本研究は、電磁波と電子波の、物質との角運動量の相互作用における等価性、について実験的に明らかにすることを目的としている。具体的には、電磁波照射による角運動量に依存した物理現象(バレー分極に着目する)の発現が電子波照射でも同様に起きるかどうか、を検証するための基盤技術の構築とその検証実施を目指している。特に、透過電子顕微鏡法と電子エネルギー損失分光法を基軸として、目的達成のために必要な理論や解析手法の確立を目指している。また、バレー分極検出の対象材料として、単層構造の遷移金属ダイカルゴゲナイドに着目する。 H28年度は、計測用の単原子層試料の作製と予備的な計測技術の検証を実施した。単原子層試料に関しては、転写プロセスを確立するまでに至らなかったため、次年度の課題として継続する。そのため予備的な計測技術の検証に関しては、計測技術が一部共通する点(線運動量移送依存計測)について、他の層状材料を用いて実施した。そのなかで、エネルギーと線運動量移送の両方を高分解能で計測することに成功した。この計測技術はバレー分極と関係のある励起子の分散関係の計測等に応用できるため重要である。さらに、単原子層試料への前段階としてバルクの遷移金属ダイカルゴゲナイドで計測技術の検証をすることを目的として、高純度結晶から薄膜試料を作製した。この薄膜試料に関しては、計測までには至らなかったため、次年度の課題として継続する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は本年度中に単原子層の電子エネルギー損失分光計測まで行う予定だったが、計測用の単原子層を作製するまでに至らなかった。そのため、計測技術として一部共通する点(線運動量移送依存計測)に関しては他の層状材料を用いて技術的な検証を実施した。以上の点から、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
計測用の単原子層試料に関しては、引き続き各種プロセス条件を最適化して転写技術の確立を目指す。並行して、電子線照射によるバレー分極に関する理論と計測手法の考察も進める。
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