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赤外超短パルスを用いた非線形振動分光法は，分子振動・構造ダイナミクス，モード間カップリングなど，分子の機能と構造に関わる貴重な知見を与える.ところが，信号の微弱性ゆえ，多数の同種分子が必要，観測可能なモードが限られる，といった課題を抱える.これらの課題解決を目指し，本研究では表面増強－非線形振動分光法を開発した.赤外域に共鳴をもつ金属ナノ構造を設計し，それを用いた赤外ポンプ・プローブ分光を行い，顕著な信号増強を達成した．反射配置についても同様の原理実証に成功した．本成果は，非線形振動分光において観測できるモード種を拡大するとともに単分子層・界面計測への可能性を拓く点で極めて重要である．
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