マルチスライスX線タイコグラフィは投影近似によって制限される空間分解能の問題を解決できるが、再構成像の空間分解能は試料面内方向に比べて、面直方向が100倍以上悪いことが課題となっていた。本研究では、プリセッション測定を組み合わせることで面直方向の空間分解能を向上させることに成功した。また、マルチスライス位相回復計算と逐次近似法を組み合わせた3次元再構成計算法を新たに提案し、試料角度数の少ない条件や制限角度条件において、従来法よりも信頼性の高い3 次元試料像の再構成を可能にした。実証実験として、Intel社製CPUを試料として用いた測定を行い、CPU内の銅配線回路の再構成に成功した。
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