本研究は新しい中性子小角散乱の測定法を開発し、通常の測定では解析できない、不規則構造中の個々の蛋白質の構造解析を行うことを目的としている。そのために、様々な難病発症と関係する蛋白質の線維状異常凝集体(アミロイド線維)、特にパーキンソン病発症に関係する蛋白質α-シヌクレインのアミロイド線維について、これまで困難であった線維中のα-シヌクレインの構造解析を行った。この方法による実験から得られた散乱曲線のふるまいが理論と一致したことを確認し、この方法の実用性を実証した。得られた曲線の解析の結果、α-シヌクレインは線維中でも伸びた構造を取ることが示唆された。
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