研究実績の概要 |
今年度研究実績は次の二点である. (1) ポアソンモジュールの具体的な構成 (2) 一般化されたケーラー多様体上の曲率の研究. 以下(2)について詳述する. 一般化されたケーラー幾何学においては, レビ・チビタ接続が定義されない. 更に曲率の適切な定義すら 無いという研究状況であったが, 筆者は 通常のケーラー幾何との類似を追求しながら, 一般化されたケーラー幾何学において, モーメント写像の枠組みを構成することに成功し, 一般化されたケーラー多様体のスカラー曲率をモーメント写像として定義した.一般化されたケーラー多様体上のベクトル束 E において, 一般化された接続 D は通常の接続では, 多様体 M の余接束 T*M のところを 接束 TM と余接束 T*Mの直和に置き換えて定義される. 多様体上に d-closedな非退化スピノル ψ がある場合は, この非退化スピノルを使い, 一般化された接続に関して モーメント写像の観点から新たに”曲率” に相当する概念を導入することができる. すると, モーメント写像の枠組みが自然に適用され, 一般化された接続に対してアインシュタイン・エルミート条件が得られ, そのモジュライ空間はモーメント写像による有限次元のケーラー商として得られる. これらの結果は論文にまとめ、Arxiv 上に発表し、国内外の様々な研究集会にて発表した. arXiv:1707.03143 [pdf, ps, other]Moduli spaces of Einstein-Hermitian generalized connections over generalized Kahler manifolds of symplectic type, Ryushi Goto
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