研究実績の概要 |
(1) 平成28年度の計画のStep1で予定していた『「行列型パンルベ方程式(MPS)」をモノドロミー保存変形の変形方程式として捉える見方と、フェルミオン場の方程式におけるモノドロミー保存変形とを比較し、フェルミオン場の方程式側に、「行列型パンルベ方程式(MPS)」に対応する行列型の方程式「行列型第2パンルベ方程式(仮称)」を構成し直す』ことに関しては、準備として、パンルベ方程式のラグランジアンを計算し、パンルベ方程式をオイラー・ラグランジュ方程式としてとらえることができるようにした。
(2) 平成28年度の計画のStep2で予定していた『「行列型パンルベ方程式(MPS)」「行列型第2パンルベ方程式」の双方での表示法、それぞれでの解の変換の状況を通じて、「行列型パンルベ方程式(MPS)」の解の変換群の理論を完成させる。』および、平成29年度の計画のStep2で予定していた『「行列型パンルベ方程式(MPS)」及び「行列型第2パンルベ方程式」をパンルベ方程式に書きなおしていくプロセスの再検討』に相当する部分として、未解決であったMPSのパンルベ6型への書き直しの完全な表示式を得た。 MPSのうちのM(1,1,1,1)がパンルベ6型と同値であるとは言われてきたが、実際にはM(1,1,1,1)をパンルベ6型に書き直す一方向の変換しか得られておらず、パンルベ6型からM(1,1,1,1)への逆変換は表示式が得られていなかった。そのため、MPSの中でも最も一般的なM(1,1,1,1)の解の変換群を求める計算ができないでいた。しかし、逆変換の完全な具体的な表示式が得られたので、M(1,1,1,1)の解の変換群だけでなく、他のMPSの変換群を退化の観点から考えられる可能性が出てきた。
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