研究実績の概要 |
行列型パンルベ方程式(MPS)は非退化型のM(1,1,1,1),M(2,1,1),M(3,1),M(2,2),M(4)(k,l,m,n)と退化型のM(4)(*,l,m,n)がそれぞれパンルベシステムS_6,S_5,S_4,S_3',S_2,S_1に対応している。M(1,1,1,1)以外については、M(λ)と対応するS_kとの間の具体的な書き直しの式を求めており、S_k側の岡本変換群をM(λ)側の複素ポアンカレ変換(+ゲージ変換)から導くことをすでに行ってある。岡本変換群のすべてのgeneratorを複素ポアンカレ変換(+ゲージ変換)から導くことには成功していないが、多くのgeneratorが複素ポアンカレ変換(+ゲージ変換)から導けることはすでに証明してある。 問題解決の鍵となるのが、M(1,1,1,1)とP_6の具体的な書き直しであるが、前年度その書き直し公式を見出すことに成功し、それを用いて、S_6の岡本変換群の各generatorを M_(1,1,1,1)側の複素ポアンカレ群(+ゲージ変換)から導く計算を進めている。 この計算がうまくゆくと、M(1,1,1,1)→M(2,1,1)→M(3,1)orM(2,2)→M(4)(k,l,m,n)という退化系列とS_6→S_5→S_4orS_3'→S_2という退化系列の対応関係を利用して、M(1,1,1,1)以外のM(λ)と対応するS_kの間で、岡本変換群のすべてのgeneratorを複素ポアンカレ変換(+ゲージ変換)から導くことに見通しが立つと予想される。 また、未解決であったM(1,1,1,1)に含まれるSubsystemでガウス超幾何方程式と同値なものを決定する計算も進行中である。
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