研究課題/領域番号 |
16K13779
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
滝沢 研二 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (60415809)
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研究分担者 |
野津 裕史 金沢大学, 数物科学系, 准教授 (00588783)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 流体 / 滞留時間 / 離散化 / space-time法 / 特性線法 |
研究実績の概要 |
周期的な流れ場における流体の状況をするために、注目区間に滞在した流体の時間を測定することを試みた。
まず最初に、この測定手段として、流体解析と同じオイラー型の定式化をおこなった。この方法では、非粘性の移流のみの流れとなるため、計算精度を担保することが難しい。また、流体解析において高精度である必要のない箇所も、本計算では高精度である必要が生じるこということが分かった。つまり、アプローチとしては、流体解析とは別の格子を用いることも検討すべきであることが示唆された。 解析結果から分かったことは、特に重要な点は、この問題の解は、連続である必然性が無いということである。
この不連続性を勘案し、特性線アプローチに切り替えることにした。特性線のアプローチでは、計算負荷に比べ、検索負荷が増すことから、並列計算に対する難点がある。しかし、本研究の本質としては、高速に計算できることは次の目標とし、まずは、良い解を得た上で結果を分析することである。特性線を用いた方法における、計算精度を落とす要因は、特性線の追跡精度である。こちらは流体解析の精度が重要となり、今回対象としている非圧縮性流体では、非圧縮コンディションを満たした流れ場を追跡した結果となっているかどうか、という点が特性線に対する難しい点となる。前述の空間微分の不連続性について、不連続か否かを判定数するための指標について取り組んだ。実際には、連続である必然性が全く無いため、すべて不連続となってしまうが、本研究の本質として、不連続と判定される箇所を少なくしたいという目論見があるため、物理的な観点および解析上の観点から検討することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
滞留時間の空間分布が、不連続になることが確実であることを深く受け入れることなく、解析手法の精度向上で解決しようとしたが、この点はあまり良い策ではなかった。もちろん、手法も向上し、その手法から得られた情報も多かったことから、予定通りの結果ではあった。また、その点に気づいてからは、来年度のプランに向けて十分な準備ができ、総合的に順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、先に示したとおり特性線を使った手法を開発しまずは、高精度な解を得ることに集中する。その後で、検討している不連続性の判断とその可視化を行い、物理現象と数値の理解を行う。 最後に、この手法に対する数学的知見を得ることと、並列解析における効率向上を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた計算機が本年度中には想定スペックとならなかったため繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度購入できなかった計算機を購入予定。
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