研究課題/領域番号 |
16K13780
|
研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
岡 宏枝 (國府宏枝) 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20215221)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 力学系 / 時系列解析 / 大域的構造 / 不安定ダイナミクス / パーシス テントホモロジー |
研究実績の概要 |
本年度の実績は以下のとおりである:1)3D乱流のベクトル場のデータのパーシステント・ダイアグラム、distance matrixの予備的計算をして、結果をInternational Workshop on Theoretical Aspects of Near-Wall Turbulence Studies, June 28 - 30,2016,Kansai Seminar House, Kyotoで講演した(講演者はM.Karamer)。計算結果に、特徴的なパターンがみられるが、その理由については、何回かの乱流に専門家と議論をしたが、現時点では明らかでない。今後、エンストロフィーのデータや人工的に作ったデータを用いて同様の計算をして、何が見えているのかを考える予定である。 2)CRITICS Workshop 2016に参加し、random dynamical systemsやearly warning signal等、データ解析の世界的な動きについて知見を得た。 3)パターンダイナミクスを生じる典型的な例として、1次元Swift-Hohenberg 方程式を取り上げ、そのパターンのパーシステンス・ダイアグラムの時系列データから大域的構造がどの程度復元されるかについて考察した。また、一般的な方程式に対して、ある条件下でモース分解が復元されるという定理と、また、1次元Swift-Hohenberg 方程式をコンピュータで計算することにより、定理を支持する計算結果を示した。 4)1)3)の前段階に相当する研究であるが、gene regulartory networkなどの複雑なネットワーク・ダイナミクスの時系列データから、大域的構造を復元するための理論の構築と計算を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れている理由のひとつは、申請時に2016年度の主任は決まっていたが、主任業務が予想していたより仕事量が多く、研究に時間がとれなかったことである。また、パーシステント・ダイアグラムやdistance matirxの計算を主に実行していたMiro Kramerが2017年4月に東北大AIMRから、パリのINRIAに異動したため、幾つかの計算が進んでいない。
|
今後の研究の推進方策 |
パーシステンス・ダイアグラムの計算に関しては、Miro Kramerがしていたが、彼が異動になる前に、計算法を学び、京大のスパコンでできるように設定した。また、東北大の大林一平氏から、別の方法の計算法を学んだので、この方法でも対応できると思う。 乱流については、まだ、結論が得られていないが、もう少し、当初の方法で模索するつもりである。
|
次年度使用額が生じた理由 |
申請時に2016年度の主任は決まっていたが、主任業務が予想していたより仕事量が多く、研究に時間がとれなかったことである。また、パーシステント・ダイアグラムやdistance matirxの計算を主に実行していたMiro Kramerが2017年4月に東北大AIMRから、パリのINRIAに異動したため、幾つかの計算が当初の予定と異なるため、コンピュータ等の購入を差し控えたためである。
|
次年度使用額の使用計画 |
今年度は、まず、計算のために、スパコン使用料が生じると思われる。また、外国との共同が多くなったため、外国旅費も当初より多く必要になると思われる。
|