研究課題/領域番号 |
16K13780
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
岡 宏枝 (國府宏枝) 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20215221)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 力学系 / 画像の時系列データ / 位相的計算理論 / Morse分解 / 大域的構造 |
研究実績の概要 |
本年度の実績は以下のとおりである:1)3D乱流のベクトル場のデータのパーシステント・ダイアグラムの研究は、研究協力者のM.Kramer氏の異動で継続が困難である。その代わりに、大林一平氏の計算方法で、いくつかの画像のパーシステント・ダイアグラムの計算を行い、ほぼ同様の結果が得られることを確認した。 2) gene regulartory networkなどの複雑なネットワーク・ダイナミクスの時系列データから、大域的構造を復元するための理論の構築と計算を行った。これは、Fiedler,Mochidukiらの研究におけるregulatory networkのFeedback vertex set の考え方を時系列データに対して成り立つように拡張したものであり、この考え方はアトラクタのみでなく力学系の大域的構造を再現するもので、Takensの力学系の時系列解析を発展させた新しいものである。この結果については、University of Aukland,、AMS conference,MCA2017で講演した。論文は執筆中である。 3) Applied Algebraic Topology 2017に参加し、講演者のK.Mischaikow氏とswitching systemについて議論した。 4) パターンダイナミクスを生じる典型的な例である1次元Swift-Hohenberg 方程式のパターンのパーシステンス・ダイアグラムの時系列データから大域的構造の復元については、現在論文にまとめる作業中である。 5)本務校の生物多様性科学研究センターのメンバーで、位相的計算理論を用いた大域的構造計算を実際の生物個体数の変化に対して使用することを議論している。いくつかのデータを試したが、この計算に適していないため、現在適切なものを検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度の主任業務後の仕事と今年度カリキュラム改革等の仕事量が多く、研究に時間がとれなかった。また、パーシステント・ダイアグラムやdistance matirxの計算を主に実行していたMiro Kramerが2017年4月に東北大AIMRから、パリのINRIAに異動の影響が今年度にも影響した。
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今後の研究の推進方策 |
パーシステンス・ダイアグラムの計算を大林氏の方法で進める。 生物多様性科学研究センターのサポートで実際の生物種の個体数のデータを扱う。 本研究課題を成果をまとめる。時系列解析のregulatory networkのfeedback vertex set についての論文をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)前年度の主任業務後の仕事と今年度カリキュラム改革等の仕事量が多く、研究に時間がとれなかった。また、パーシステント・ダイアグラムやdistance matirxの計算を主に実行していたMiro Kramer氏が2017年4月に東北大AIMRから、パリのINRIAに異動の影響が今年度にも影響した。 (使用計画)今年度は、研究会に参加するための国外・国内出張旅費とコンピュータ購入に使用予定である。
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