研究課題/領域番号 |
16K13793
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
時安 敦史 東北大学, 電子光理学研究センター, 助教 (40739471)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アクシオン / 暗黒物質 / 超電導素子 |
研究実績の概要 |
前年度までにSQUID微小電流測定システムを用いることを決定したが、予算、期間ともに研究期間内での遂行が難しいことが判明した。今年度は測定の初期段階として、簡便な手法である四端子法による電流、電圧曲線の取得を試みた。 電流ソースメータ、ディファレンシャルアンプ、マイクロメータからなる測定系を構築した。冷却には東北大学所有のヘリウム3ソープション冷凍機を借用し、共同研究者の協力により得られた超伝導素子を設置し、実際に300mKの低温下での測定を行った。その結果、ノイズの除去が十分に行えずクリアな信号が確認できなかった。 また、素子を乗せた架台設置場所の問題により、十分に素子の冷却が行われていないことが判明した。架台の再設計、再製作を行い、二回目の測定を行った。 その際、配線の結線に不具合があることが判明したため、修理を行った。常温下での測定を行い、問題がないことを確認した。また、実験の探索の遂行状況を日本物理学会において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度2回にわたる測定を行ったが、それぞれ不具合により信号検出までには至らなかった。現在は修理を行い、また測定系の改良を行ったが、冷凍機の使用の問題で測定を中断している。低温環境の使用準備が整い次第、速やかに測定を再開し、超電導素子を用いたアクシオン探索実験手法について妥当性を研究する。
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今後の研究の推進方策 |
現在、冷凍機の問題により、測定が中断している。 冷凍機の整備後、実験を再開し、信号検出を試みる。測定結果に応じ、ノイズシールドの製作、各種パラメータ決定、測定装置の選定を平成31年度の早期に行う。 電流―電圧特性を測定し、先行実験で報告されたアクシオン由来の特徴的なピークが観測された場合は、ひきつづき長期にわたる測定を実施し、信号収量の季節変動、安定性などの確認を行う。特徴的なピークが観測されなかった場合は、素材を変更し、また層間距離を変更した新素子作成を行い、その測定を行う。 測定の後は速やかに解析を行い、共同研究者と結果の議論をおこなう。また探索の結果を学会で報告し、速やかに論文にまとめ、公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
探索実験に必要な冷凍機の長期使用ができなかったため、測定を年度内に終了することができず、次年度に測定を持ち越すことになった。 平成31年度前期の測定結果をもとに、測定系の改良、素子のパラメータ決定を行う。
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