動的核偏極(DNP)を用いた固体偏極ターゲットでは、標的試料に対する常磁性物質のドープが鍵となる。本研究では固体試料をナノサイズまで粉砕した微粉末試料に常磁性物質を含浸させる方法を試みた。フッ化ランタン(LaF3)を試料として選び、これを粉砕し、常磁性物質(TEMPO)のエタノール溶液を含浸させて試料を作成した。LaF3はボールミルを用いて最小サイズ20nmまで粉砕し、100nmより大きな粒径の粒子は遠心分離により取り除いた。0.9K、2.5Tの下でDNPを試みたところ、19F核(spin=1/2)の偏極度最大11%程度が得られた。
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