素粒子標準模型はほぼ全ての物理現象を矛盾なく説明している。しかし、多くのパラメータを必要とする問題、階層性の問題、暗黒物質の問題等のため、より大きい理論の低エネルギーでの発現という見方が支配的である。標準模型を包含する「新物理」探索のため様々な実験が実施・計画されているが、いまだ発見されていない。 本研究はミュオン変換事象の中でも、ミュオニウムから反ミュオニウムへの変換というレプトン数が同時に2変わる事象の発見を目指し、その原理実証を行う。一般にバックグラウンドの低減が難しく1990年代を最後に実施されていないが、本研究では新しいアイデアにより従来の記録を超えることが可能であることを示した。
|