研究実績の概要 |
本研究の目的はブレーザー天体のガンマ線スペクトルを用いて、宇宙近赤外背景放射の超過成分の起源を探ることにある。そのために、以下の三段階に分けて研究を遂行する予定である。1) ブレーザーの放射スペクトルのモデル化、2) 超過成分も含めたガンマ線吸収量の見積もり、2) ガンマ線データを用いた超過成分の探査である。 当該年度においては、我々は「1) ブレーザーの放射スペクトルのモデル化」に取り組んだ。我々はTeVガンマ線で検出されている近傍ブレーザー天体の多波長データを集め、衝撃波加速理論に基づいた放射モデルを構築し、これをスペクトルフィットを行った。さらに、ブレーザーの種々のパラメータ(ブレーザーのパワーや加速効率など)を抜き出すことにも成功している。これらの結果は、"Baryon Loading Efficiency and Particle Acceleration Efficiency of Relativistic Jets: Cases For Low Luminosity BL Lacs", Yoshiyuki Inoue, Yasuyuki T. Tanaka, 2016 ApJ, 828, 13 としてすでに Astrophysical Journal 誌から出版されている。 また、共同研究者らとともに Axion-like Particle を考慮にいれた場合、将来のガンマ線望遠鏡でのブレーザー観測、特にガンマ線吸収にどのような影響があるかも調べており、現在論文投稿中である。
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次年度使用額の使用計画 |
以下の予定で、使用予定である。 論文出版費 300,000円(内訳 150,000円 x 論文二本)。旅費 1,200,000円; TeVPA, USA, (08/07-08/11); HEAD Meeting, USA, (08/20-08/24); High Energy Phenomena in Relativistic Outflows VI (HEPRO VI), Russia (09/11-09/15); 7th International Fermi Symposium, Germany, (10/15-10/20)。物品費 400,000円;MacBook Pro 15-inch
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