スピンバレー結合状態を持つ半導体3R-MoS2をはじめとする空間反転対称性の破れた半導体を対象とし、その電子構造構造が示す高速光応答の解明を行った。フェムト秒レーザーを光源に用いた角度分解光電子分光測定を行うことにより、エネルギーと運動量を分解した電子構造の高速ダイナミクスの観測に着手した。MoS2においてはパルス励起直後の時間領域において、価電子帯から伝導帯への電子励起とともにバンドギャップが小さくなる様子を観測することに成功した。一方極性半導体BiTeBrにおいては、表面電荷蓄積層におけるサブバンド構造の高速な変化を捉えた。
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