強相関電子系における物質探索にブレークスルーを目指して,イオン液体合成法や水熱合成法により新しい超伝導体やフラストレート磁性体の合成を行った.超伝導が報告されているがその詳細は全く分かっていないTe4[BixCl4]を合成してその物性を評価したが、超伝導性の確認には至らなかった。一方、水熱合成法を駆使して、新しいカゴメ格子反強磁性体CdCu3(OH)6(NO3)2・H2O (CdK)の単結晶育成に成功し、負のベクトルカイラリティーをもつ120°スピン磁気秩序や160Tまでの超強磁場において複数の磁化プラトーを発見した。これらは異なる単位胞をもつマグノン結晶がシリーズで存在する事を示唆する。
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