ダイヤモンドイドと呼称されるダイヤ骨格を内包する分子群の高機能化を目指して、理論計算および実験検証の双方による検討を行った。ダイヤ骨格が1つと2つの分子について、終端水素をケトン化やハロゲン化することによって双極子モーメントを導入した「極性ダイヤ分子」を合成した。理論計算と実測の赤外スペクトルの良い一致から目的物質の合成成功が同定でき、合計で6種類の市販されていない極性ダイヤ分子を物性測定が行える収量で得ることに成功した。精製し単結晶化した試料を用いて誘電特性を測定したところ、結晶中での分子回転の凍結に起因する異常を観測し、置換基の大きさ(回転障壁)を反映した系統性を見い出した。
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