研究課題/領域番号 |
16K13855
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安東 正樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90313197)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 量子的性質 / 巨視的物体 / 冷却 / 振動子 |
研究実績の概要 |
本研究では、巨視的物体の量子力学的性質を解き明かすことを目的としている.冷凍機によって4Kの低温まで冷却された振動子を、さらに光-機械結合を用いたレーザー冷却によって抑圧することで、振動モードの基底状態に近い状態を作り出す。その変動を測定することで、フォノンの吸収/放出確率の非対称性などの量子的性質を実験的に確認する。近年では、nmからμm程度の大きさの物体で基底状態の実現や量子的性質の観測が行われているが、本研究では、cmスケールでの基底状態の実現を目指す挑戦的な研究となっている。本研究は、巨視的物体の状態重ね合わせや量子でコヒーレンスといった基礎物理的な観点だけでなく、量子メモリの実現といった応用のための萌芽的研究とも位置付けられる。これまで、低温冷却システムの再構築と振動子の設計検討を進めている。本研究では、振動子を冷却するためにパルス管冷凍機を使用している。しかし、この装置のコンプレッサー部が実験室内に設置されていることから排熱や振動環境の面で研究の遂行が困難になっていた。そこで、コンプレッサーを外部に移設する作業を進めた。そのための専用の収納容器や、電気系やヘリウム管の配線を行い、移設を完了させた。その結果、冷凍機動作時に置ける振動や、音響雑音、排熱による実験室内温度変化の影響を排除することができた。振動子の設計においては、ねじれ振動子の特徴を生かすことで低周波数の微小力の直接測定や、それを用いた精密実験(量子輻射圧雑音の直接測定や、空間の量子化に関するCSLと呼ばれる理論の検証)が可能になることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
振動子の設計や物品の準備が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに得られた知見を生かし、研究の遂行に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品(真空層に光を導入するための窓板など)の選定に時間を要し、発注にまで至らなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
空層に光を導入するための窓板などの物品購入に使用する。
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