研究課題/領域番号 |
16K13860
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 誠 東北大学, 工学研究科, 教授 (60282109)
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研究分担者 |
最上 譲二 東北大学, 工学研究科, 助教 (70713022)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 筋収縮機構 / 化学力学変換 / アクトミオシン / 水の並進エントロピー / 分子モーター / 水和自由エネルギー / タンパク質の水和 / アクチンの構造多形 |
研究実績の概要 |
筋肉収縮の分子リニアモーターであるアクチンフィラメントとミオシンのすべり運動を、ATP加水分解反応を用いずに、Fアクチンの構造多形性と水和状態制御法を応用してモーター駆動機構をデザイン・構築をめざした。ここではF-actinのらせん構造をスイッチできることに注目した。F-actinは2価イオン交換等により構造をスイッチできる。構造スイッチを誘起するために2価イオンの交換をキレート剤と液交換法を用いて行った。S1-AMPPNPとの弱い結合の際に、ポテンシャル曲線上で最安定点でなければ、より安定な点(二重らせん溝部がモルフォメトリック熱力学論的に水の並進エントロピーが最大)に向かう運動(らせんピッチの数分の一:数nm)が期待される。光学顕微鏡で輝点位置変化のナノメートル計測を実施した。F-actinフィラメントを構成する2つのらせん形ストランドの相対配置はMg(2+)結合時とCa(2+)結合時で異なることがX線線維回折や電顕観察により報告されている。ここでは、水溶液中での構造変化を確認するためにCD分光を行った。その結果、2次構造ではMg(2+)結合時に222nm吸光変化からわずかにヘリックス含量がCa(2+)結合時より低下すること、3次構造ではMg(2+)結合時に290nm付近に明らかなコットン効果が確認された。この2次構造・3次構造の変化は先のX線や電顕による観察と矛盾しない。ここでは理研岩城博士の協力を得て、光学顕微鏡下、ミオシンコートガラス基板上でQ-dotを結合したF-actinの移動距離の測定を試みた。Q-dotの移動において数nmの位置分解をするために、Q-dot蛍光輝点をガウス関数で近似して中心点をもとめ、caged-Caと375nmUV光によるCa(2+)濃度制御を行って、Q-dot位置の移動距離測定を行った。現在解析途上にある。
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