砂浜に生息するスナガニは適度に湿り気のある領域に直径数cm程度の巣穴を作る.このスナガニの巣穴を構成する砂地は物理的には濡れた粉体とみなすことができる.スナガニの巣穴の分布やサイズを決定する因子として濡れた粉体層中の空隙構造の安定性という要素が考えられることになる.本研究ではスナガニ巣穴の空間分布・サイズ分布と濡れた粉体層中のトンネル構造の力学特性との関係を定量的に明らかにするため,実験およびフィールド調査を行った.実験とフィールド調査の結果より,スナガニの巣穴が力学的に十分安定な構造を持つように作られていることが明らかになった.
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