真正粘菌は自然な状態では三次元的に入り組んだ場所に生息している.同じ現象でも空間次元数が異なるとその振る舞いが異なることが様々な現象で見つかっている様に,粘菌の行動も三次元空間内のものと従来の実験で行われてきた二次元平面上のものでは異なる可能性がある.そこで,本研究では三次元的な粘菌の行動実験手法と観察方法を開発することで,粘菌の管ネットワーク形成を調べた.その結果,粘菌が三次元空間に形成する管ネットワークは二次元と比してより多くの管を形成することで離れた管同士をつなぎ,その結果二次元空間では粘菌が形成し難いトポロジーのネットワークを形成することが明らかとなった.
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