研究課題/領域番号 |
16K13870
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西村 太志 東北大学, 理学研究科, 教授 (40222187)
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研究分担者 |
矢部 康男 東北大学, 理学研究科, 准教授 (30292197)
井口 正人 京都大学, 防災研究所, 教授 (60144391)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ひずみ計 / 火山 / 噴火 |
研究実績の概要 |
本年度は、おもに、簡易ひずみ計の製作、歪み計を設置する孔井地点の最終決定、掘削方法の検討を進め、孔井掘削を行い、歪み計の設置を行った。 昨年度決定したひずみ計の設置場所は、国土交通省国土交通省九州地方整備局大隅河川国道事務所および鹿児島県が管理していることから、土地占有や掘削についての協議を行い、了解を得た。また、掘削業者と協議し、掘削機械の搬入の仕方や掘削方法を検討し、決定した。昨年度設計した歪み計については、掘削する孔井径や受感部と鞘管との接合状況をもとに、有限要素法等をもちいて感度の評価を行いながら再設計し、歪み計を製作した。 平成30年3月上旬に、有村観測所施設の西側に6.2m 離れた地点に、ロータリーパーカッション型のボーリングマシンを用いて深さ20m,孔径(直径)約14cm の孔井を掘削した。歪み計が火山活動による歪みを記録できるよう、掘削する岩質を確認しながら掘削した。上部は風化安山岩であったが、深度18mから下部は亀裂の少ない硬質安山岩であった。歪み計を設置するのに適していることから、深度20m付近の堅固な岩盤に孔井を設置することとした。孔井の孔壁が崩れないよう深さ19m までをケーシングパイプで保護したのち、孔底に歪み計を挿入し、歪み計を固定するために孔底から1.0m までをセメントミルクで充填した。最後に、地表上にまで伸ばしている歪み計の信号線の抵抗値等を確認し、機器が正常に設置されていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度は、孔井掘削とひずみ計を設置したのち、データ収録装置も開始して、観測を開始する予定でいた。しかしながら、孔井掘削申請と掘削日の調整に時間がかかり、歪み計の設置までとなった。平成30年4月には観測機器を設置し、できる限り観測を早く開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
設置したひずみ計の信号を地表で計測器に取り込み、連続観測を開始する。商用電源の利用ができないため、鉛蓄電池と太陽電池を設置する。データロガーには100Hz程度の校サンプリング周波数で連続記録し、現地収録する。数ヶ月に1回、データ回収を行う。気象庁が発表している噴火情報をもとに、データを切り出し、噴火発生前後の歪み記録の抽出を行う。また、京大防災研が観測している有村坑道の伸縮計や傾斜計による記録と比較をし、本研究で製作した歪みセンサーの検定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
孔井掘削を3月に実施し、支払いが平成30年4月となったため。
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