火山性微動や長周期地震,傾斜変動等の火山性長周期振動はしばしば噴火活動と密接に関連して発生している.本研究では,火口近傍で観測されたデータから,振動の励起源の力学機構システムを制約する手法と位相幾何学的アプローチによる励起源の数理構造を推定する手法を開発し,2004年浅間山噴火や2011年霧島山新燃岳噴火の際に観測された火山性微動の解析に適用した.その結果,2004年浅間山噴火に先行する非線形な火山性微動は火道閉塞の進行で,2011年新燃岳噴火のハーモニックな火山性微動は火道浅部の局所的な流体流路の変動で,合理的に説明できることを明らかにした.
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