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2017 年度 実施状況報告書

北極振動と南極振動の「メタ・テレコネクション」~両半球をつなぐ航路は何か~

研究課題

研究課題/領域番号 16K13880
研究機関三重大学

研究代表者

立花 義裕  三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10276785)

研究分担者 本田 明治  新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20371742)
中村 哲  北海道大学, 地球環境科学研究院, 博士研究員 (90514331)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード成層圏 / 極渦 / 突然昇温 / 対流圏
研究実績の概要

北極振動は北半球で最も卓越する変動で,日本などの北半球の広い範囲の異常気象に影響する.例えば,2010年の観測史上最高の猛暑と北極振動の関係.また,例えば,2015年2月には中東でも積雪が観測されたように,近年の温暖化に反する北半球の厳冬傾向が北極振動との関係.よって,北極振動の予測は経済社会的な観点からも危急の課題である.一方,南半球には南極振動があり,これはオゾンホールと強い関連があり,地球環境にきわめて重要である.北極振動と南極振動の同期した変動の存在については,これまで誰も挑戦してこなかった.一方,遠隔地の気象が連動することは,テレコネクションとして知られているが,研究は半球内に限定した議論に留まっている.本研究は地球上で最も離れた両極が,同期して変動しているのでは?とする仮説を「メタ・テレコネクション」と呼称し,今年度は以下を実施した.
研究分担者と複数回の研究打ち合わせを行い,全球観測データと大気大循環モデルの統計解析・力学診断から「メタ・テレコネクション」の有無の調査を過去数十年の全球グリッド大気観測データ(再解析データ)を用いて北極振動と南極振動の「メタ・テレコネクション」の存在の有無を確認した.また,関連性についての季節依存性についても調査した.さらに,なぜ両者に関係が存在するのかについて,議論を行った.関係が深い時代と関係が薄い時代が存在することを見いだすことができた.さらに,これら成果を基に,共同での論文執筆作業に着手した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

全球観測データの統計解析・力学診断から「メタ・テレコネクション」の有無の調査を実施し,論文執筆が今年度の主たる目標であった.
「研究実績の概要」に記述したように,両者の関係について論文執筆に着手した.これは当初の予想通りの結果であった
.

今後の研究の推進方策

1)観測事実・大気大循環モデル・気候モデルを用い「メタ・テレコネクション」の真偽の調査を引き続き行う:観測データに「メタ・テレコネクション」のシグナルがあったとしても,たまたま偶然,それがおこった可能性を否めない.大気大循環モデルを用いて,両半球をつなぐ航路(プロセス)の解明と共に「メタ・テレコネクション」の存在事由を固める.
2)地球上の最遠隔地である両極の大気がなぜテレコネクト(連動)するのか?それらをつなぐ「航路(プロセス)」の特定への挑戦を行う.
3)論文を学術誌へ投稿する

次年度使用額が生じた理由

(理由)そろそろ故障すると思われた電源装置や内蔵HDDの故障が少なかったことと,当該年度に購入した物品の金額が予定よりも安くなったため,次年度に繰り越しをすることになった.

(使用計画)繰り越し金は次年度の物品購入に充当する.

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Poleward upgliding Siberian atmospheric rivers over sea ice heat up Arctic upper air2018

    • 著者名/発表者名
      Komatsu Kensuke K.、Alexeev Vladimir A.、Repina Irina A.、Tachibana Yoshihiro
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 8 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41598-018-21159-6

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Reproduction of extreme heavy snow and extreme cold summer in 1945 in Japan and their potential influence upon the last stage of the war2018

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiro Tachibana、 Kensuke Komatsu、 Daiki Yamauchi
    • 学会等名
      EGU General Assembly 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] 両半球をつなぐソマリジェットが及ぼす北半球大気場への影響2018

    • 著者名/発表者名
      杉原直樹 立花義裕
    • 学会等名
      [日本の夏の気候を規定するチベット・オホーツク海高気圧の形成機構」平成29年度研究成果報告会
  • [学会発表] 両半球をつなぐソマリジェットが及ぼす北半球大気場への影響2017

    • 著者名/発表者名
      杉原直樹 立花義裕
    • 学会等名
      平成29年度日本気象学会中部支部研究会
  • [学会発表] 2016年1月の日本の大寒波に伴う北極振動の急激な極性反転と北極海氷の減少2017

    • 著者名/発表者名
      坂泰志 立花義裕 山崎孝治 小寺邦彦 小木雅世
    • 学会等名
      平成29年度日本気象学会中部支部研究会
  • [学会発表] 2016年1月の日本の大寒波に伴う北極振動の急激な極性反転と北極海氷の減少2017

    • 著者名/発表者名
      坂泰志 立花義裕 山崎孝治 小寺邦彦 小木雅世
    • 学会等名
      日本気象学会2017年度秋季大会
  • [学会発表] 渦相関観測システムがとらえた乱流フラックス 夏季の海面水温の表面加熱との関係2017

    • 著者名/発表者名
      安藤雄太 立花義裕 根田昌典 前川陽一 中村亨 奥村順哉
    • 学会等名
      平成29年度日本気象学会中部支部研究会
  • [学会発表] 初冬の極夜ジェットの季節進行の停滞とシベリアの寒冷化~過去と近年の違い~2017

    • 著者名/発表者名
      安藤雄太 山崎孝治 立花義裕 小木雅世 浮田甚郎
    • 学会等名
      日本気象学会2017年度秋季大会
  • [学会発表] 気温前日差の気候学的見解2017

    • 著者名/発表者名
      関陽平 立花義裕 山崎孝治
    • 学会等名
      2017年度日本地理学会秋季学術学会
  • [学会発表] 全球をめぐる北半球起源の大気海洋間強制の東進連鎖2017

    • 著者名/発表者名
      坂泰志 立花義裕 山崎孝治 西井和晃 小木雅世 小寺邦彦
    • 学会等名
      2017年度東京大学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター研究集会
  • [学会発表] 初冬の極夜ジェットの季節進行の停滞とシベリアの寒冷化2017

    • 著者名/発表者名
      安藤雄太 山崎孝治 立花義裕 小木雅世 浮田甚郎
    • 学会等名
      2017年度東京大学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター研究集会

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公開日: 2018-12-17  

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