火星における現在のクレーター生成頻度が把握できたら,年代推定の精度が大きく向上する.本研究は宇宙ミュージアムTeNQで約2年間にわたり、3万人以上の方々にご協力いただきながら、合計3,549のCTX画像のペアを精査し、計476個の新しいクレータ類似地形を判別した。調査した領域の総面積は~1.0 x 10^7 km2(これは火星全体の7.06%に相当する)で、ATFは3.7 x 107 km2yrであることから、この地形の生成率は~1.3 x 10-5 /km2/yrとなった。これは画像解析に基づく先行研究の値や理論計算に基づく衝突フラックスの値よりも1桁以上も大きい結果であった。
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