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2018 年度 実績報告書

高圧と高電圧で新たな氷の秩序相を誘起する

研究課題

研究課題/領域番号 16K13904
研究機関東京大学

研究代表者

小松 一生  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (50541942)

研究分担者 町田 真一  一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発, 中性子科学センター, 研究員 (30554373)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード氷 / 高圧 / 中性子回折 / 高電場
研究実績の概要

氷の多形の探査は、過去100年以上にわたって温度・圧力を変数とした観察をもとに進められてきた。本研究では、温度・圧力に加えて、新たに電場を変数とすることで、これまで観測されることのなかった秩序構造を見出すことを目的とし、高圧かつ高電圧化における中性子回折実験のためのセル構成の開発を経て、世界初となる高圧高電場化でのその場中性子回折実験を実施することに成功した。平成30年度は、これまで得られた中性子回折パターンを解析し、また、新たに高圧力下における誘電率測定装置を開発して、氷VII相の秩序化の度合いを検討した。得られた成果は主に以下の3点である。1) H29までに得られた高圧下高電圧下での中性子回折パターンからは、6.1 GPa, 10 kV/mmまでの圧力・電場下において、新たな秩序相の存在を示す証拠は得られなかった。2) しかし、誘電率測定の結果からは数%の秩序化が予想されることから、高電場下で秩序化が進行しなかったのではなく、秩序化に起因するピークが中性子回折パターンのノイズに埋もれてしまっているものと思われる。3) H29まで7GPaまでの誘電率測定が可能であったが、H30はこの圧力上限を12GPaまで拡げることに成功した。本装置を用いてice VIIIの誘電率測定を行ったところ、水分子の回転に由来する緩和と水素原子のホッピングに由来する緩和が10 GPa付近でクロスオーバーを示すことが明らかになった。
研究の過程で開発した、高圧―高電圧下中性子回折実験手法および、高圧下誘電率測定装置は、氷以外の多様な試料にも容易に応用できる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] ANSTO(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      ANSTO
  • [雑誌論文] Exploring for ferro-electically ordered form of ice VII by neutron diffraction under high pressure and high electric field2019

    • 著者名/発表者名
      R. Yamane, K. Komatsu, H.E. Maynard-Casely, S. Lee, N. Booth and H. Kagi
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 誘電率測定による氷Vi-XV相転移の高圧その場測定2018

    • 著者名/発表者名
      山根崚、小松一生、鍵裕之
    • 学会等名
      日本鉱物科学会2018年会
  • [学会発表] 12GPaまでの氷VII相の高圧下誘電率測定2018

    • 著者名/発表者名
      山根崚、小松一生、鍵裕之
    • 学会等名
      第59回高圧討論会

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公開日: 2019-12-27  

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